活動報告

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視察「熊本 慈恵病院(こうのとりのゆりかご)」

熊本最終日は、赤ちゃんポストで有名な慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」の視察をしました。
一時期話題になった「赤ちゃんポスト」
様々な事情で育てることの出来ない赤ちゃんを、匿名で託すためのシステムのことであり
ドイツやスイス、韓国やラトビアといった世界でも同様のシステムがあります。

日本で初めて、ドイツの「ベビークラッペ」を参考にしてつくったのがこの慈恵病院。
「こうのとりのゆりかご」という名前をつけて、2007年に運用を開始してから既に15年が経ったとのこと。
今回東京都内でも同じような仕組みを構築しようという動きがあるため視察しました。

当日は多くのマスコミが詰めかける中、蓮田院長のお話を直接お伺いでき、
また実際に赤ちゃんがゆりかごに置かれた時の看護師さんの動きのデモンストレーションも見せていただきました。
「こうのとりのゆりかご」までの道は外からは見えない通路になっており
通路を長めにとっているのも、考え直してもらう時間も設けるため。
通路の途中に「相談窓口」の連絡先の看板もあります。

 

実際に「こうのとりのゆりかご」の前に来ると、二重の扉があり、
一つ目の扉を開けると、病院から預ける方へのお手紙が入っています。
このお手紙を取ると二つ目の扉が開く仕組みになっていて、保育器が出てきます。
厳重に管理された保育器に赤ちゃんを置くと、ナースステーションに知らせがいき、看護師さんが駆け付けます。

預け入れる親御さんは、自分自身が虐待を受けていたり
精神・知的の障がいを持っている方が多いということで、
決して産んだお母さんだけの問題ではなく社会の問題が背景にあるとのこと。
ゆりかごに赤ちゃんを置いてから、その場に立ち尽くす方も少なくないようです。

また政府がガイドラインを示したことでも話題になった「内密出産」についてもお話をお伺いしました。

病院に行かずにたった一人で出産する母子への危険性・リスクを減らすため
匿名で病院で出産出来る環境も、セーフティネットとしては整備する必要があると感じました。
中には、「誰にも知られたくない」一心で救急車を呼ぶことさえも拒む方もいるとのこと。
「誰にも知られない」ために、出産後に赤ちゃんを殺す・遺棄する事件も発生しています。
賛否両論ありますが、「何より生命が大切」ということを実際の現場を見て痛感しました。

慈恵病院では年間約3000万円の赤字をして、訴えられるリスクもある中、
一部には身勝手な親もいる中でスタッフの皆さんが常に来た方に寄り添っていると知り
これは簡単に出来ることではないというのが率直な感想です。

だからこそ、行政もこの問題に向き合って、手を挙げてくれる病院を支援していかなければならないと感じました。

またこれはお母さんだけの問題ではありません。お父さんの存在が見えなくなる現実があります。
性教育等の観点から、お母さんがここまで追い詰められないための予防も行っていくべきと感じました。

 

この視察で学んだことで、小平市で、東京都で生かせることは何か
また国への提言出来ることは何か、整理して具体策に繋げていきたいです。
今回の視察で繋がった各地域の議員の皆さんとも協力をしたながら
一人でも多くの生命を救える社会のために活動してまいります。

※視察の様子がNHK・朝日新聞・読売新聞・毎日新聞・熊本放送等様々なメディアに取り上げられました。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkk/189049?display=1
https://www.yomiuri.co.jp/stream/article/20260/

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