視察「熊本市役所・熊本城」
昨日から党派を越えた有志メンバーでの熊本市視察初日は
熊本市役所にて行政の立場からみた赤ちゃんポスト・内密出産
そして震災から6年、熊本の復興について、実際に熊本城を見ながら学びました。
まず「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」「内密出産」について。
熊本市の慈恵病院さんが始めたのが、ドイツのベイビークラッペを参考にした「こうのとりのゆりかご」
乳幼児の遺棄事件が多発する中で、様々な事情で赤ちゃんを育てられない親が
赤ちゃんを預けることが出来る場所を設置されました。
法律の無い中で「ただちに違法とは言えない」というグレーな中で運用が始まったものですが
①子どもの安全確保 ②相談機能の強化 ③公的相談機関等との連携の3点を留意事項として許可がされたとのこと。
そして、国がガイドラインを示したことでメディアでもかなり取り上げられた「内密出産」
内密出産とは、匿名で病院だけに身元を明かして出産すること。
戸籍は市長によって作成され、その後は特別養子縁組や施設入所になります。
生活困窮・家族やパートナーの反対・不倫や未婚・世間体・性被害等で
誰にも知られずに出産をしたい方は一定数いるとのこと。
そんな方々が、「知られたくない」一心で、自宅でひとりで出産するのは大変危険なことです。
産んだことがバレてはいけないと、最悪の場合赤ちゃんを殺してしまうこともあります。
だからこそ、内密出産が法的に認められれば、そういった母子を守れるかもしれない。
熊本市としても国に要望し、なんとかガイドラインの策定にまで至ったとのことでした。
しかし、まだ法整備は追いついていません。
子どもの出自を知る権利の保証・手続きの確立等の課題はありますが
内密出産の事例は7例目まで増えています。
「子どもの生命を守るというのは、みな共通の想いなんです」という担当者の方の言葉。
それに尽きるのではないかと感じました。
市としては法律や制度の根拠がないと動けない中で
この仕組みを機能させるために、県や国への働きかけ・要望を続けており、
そして熊本市としても、24時間相談窓口の設置や産前産後母子支援事業に手を挙げる等
独自でも母子の安全のための取組みをされていることも分かりました。
加えて、部署を越えて性教育についても産婦人科の先生が出前授業に行って、
避妊の方法等の踏み込んだ部分まで教えていることもわかりました。
市内で「赤ちゃんポスト」を実施するという病院が出てきた場合に行政としてどうするか・・・
法整備も進み、自治体としても受け入れやすい体制づくりが急務です。
また後半は熊本城の視察をさせていただきました。
熊本震災で熊本城も倒壊や破損・陥没といった大きな被害を受けました。
熊本城復旧基本計画を策定し、20年間での復旧を目指して工事が進められていました。
復興のシンボルである「天守閣」は早期に復旧が実現!
内部はエレベーターも設置されバリアフリー化。内部は綺麗な博物館のようでした。
この復旧の過程も皆さんに見てほしいということで見学用通路も開通。
本来建築物が建てられない区域のため、置き型ですが、通路もデッキになっていて
熊本城の全体を見るのにとてもいい通路になっていました。
ただ復旧するのではなく、+αの更に良くするという考え方、
更にその後100年先を見据えた計画とする点、
地元の皆さんに見ていただきながらの復旧作業という発想が素晴らしいと感じました。
地元の人も「今まで熊本城は行かなかったけど、震災後は何度か行くようになった」と。
やはり復興のシンボルとして地域の人に愛される場所になっていることを知りました。
熊本市役所の皆さま、お忙しい中受け入れていただきありがとうございました!
*明日はいよいよ、こうのとりのゆりかごがある「慈恵病院」です。